睡眠時無呼吸症候群(SAS)外来のご案内(ご挨拶)
睡眠時無呼吸症候群は、最近の研究によると日本全国に2200万人、中等症以上の少なくとも治療が必要な患者様が900万人いると考えられていますので決して稀な病気ではありません。一方で、すでに治療を受けられている患者様は約50万人しかいません。多くの方が罹患しておりますが、ほとんどの方が治療を受けていません。
原因は寝ると舌が喉元に落ち込み空気の通り道(気道)が塞がる事により呼吸ができなくなることによります。なりやすい方は肥満が約7割ですが、痩せていても顎の小さい方や閉経後の女性などもなりやすいと言われていますので誰にでも起こりうる病気です。
主な症状としては、いびき、無呼吸、日中の眠気が有名ですが、眠気のない方もいらっしゃいます。他には夜間頻尿(寝ている間の尿の回数が2回以上)、もの忘れ、イライラ、疲れやすいなどの症状が出る場合もあります。
この病気を放置すると様々な他の病気にかかりやすくなります。具体的には、高血圧2.9倍、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)2.5倍、不整脈3.3倍、脳卒中3.5倍とかかりやすくなります。またすでに心疾患、脳疾患をお持ちの方は睡眠時無呼吸症候群を合併している確率が高く、さらにこれらの病気が悪化する可能性も指摘されています。その他、糖尿病やうつ病との関係も報告されています。
また、交通事故を起こす確率も高くなり、一般の人と比べて約5倍になると言われています。
検査に関してはご自宅での検査、場合によっては入院での検査をお勧めする場合もあります。治療に関しては自宅で行うことができ、CPAP治療(お鼻にマスクをつけて圧力のかかった空気を送り込んで寝ていただく治療法)やマウスピース治療、横向き寝、耳鼻科的な治療を行うことで改善が見込めます。
当院では、特に十勝管内の睡眠時無呼吸症候群治療に注力しており、近隣・管内の病院とも連携を積極的に取っており、検査体制や治療体制が整っております。場合によっては検査のみ当院で行い、その後の治療、通院はかかりつけの病院・クリニックで行っていただくことも可能です。
お困りの方がおられましたら、症状の改善、病気や交通事故の予防などを目標に丁寧な診察・治療を心がけておりますので、十勝管内において睡眠学会専門医による診断・治療が可能な当院にお気軽にご相談いただけますと幸いです。