外科紹介
従来の医療の在り方は、それぞれの病院で治療が完結する傾向にありましたが、最近の医療改革の流れは、地域連携を強化する方向となっています。
つまりひとつの病院で医療を考えるのではなく、common diseaseはクリニックで、入院が必要な病気は中小規模病院で、より高い専門性が必要な病気や重篤な救急疾患は中隔病院でと、地域でそれぞれの病院がそれぞれの役割を担うことが求められています。
外科の分野でいうと、比較的侵襲の少ない手術は中小病院で、専門性の高い手術は中核病院に集めて行うようになりました。
急性期が過ぎても退院が困難なケースでは、周囲の中小病院の地域包括ケア病床で術後のリハビリを請け負うような病院間連携をするようになっています。
中隔病院では、次々と治療が必要な患者さんに対応することが求められます。十分なリハビリやケアを行うことは在院日数の延長となり、その対応が困難となります。円滑に地域の医療が成り立つためには、ある程度落ち着いた段階で急性期病院から退院することが必要になります。しかしながら退院するまでの体力がない方もいます。地域包括ケア病床は、そういった患者さんのためにあり、リハビリやケアを行い、自宅退院や施設入所までのサポートをする病床となっています。
当外科は以前、年間300例程度の手術症例があり、全身麻酔150例程度、緊急手術も40-50例行っていました。しかし前述のような時代の流れや、スタッフ不足のため緊急手術対応もできなくなり外科手術数は年間120例程度、全身麻酔例も10数例程度となっていました。その後、Covid-19が猛威をふるい、2020年12月から当院も二度のクラスターを経験しました。
コロナ陽性者の受け入れに伴い、業務の縮小を余儀なくされ、症例数は減少し、全身麻酔例は月1-2例、手術症例全体としても年間100例程度となっています。現在コロナは落ち着いたもののまだ後遺症に悩まされているところです。
現在の当外科診療内容は、以下のようになっています。
役割の一つは、一般の外科診療の他、比較的侵襲の少ない待機手術や局所麻酔下手術をすることです。緊急手術は現在行っていません。
二つ目は総合病院で行った術後回復期リハビリ、日常生活の困難となる高齢者の圧迫骨折や蜂窩織炎などの外科関連の地域包括病床の活用です。
三つ目は、当院外科は透析業務を担っています。透析ベットは12床あり約30数名の患者様を診ています。シャントのメンテナンスを定期的に行っており、必要に応じて血管の拡張術やシャント造設などを施行しています。
四つめは内視鏡業務です。外科では主に胆道系(総胆管結石など)の内視鏡的治療も行っています。
今後も地域の医療機関と協力し合いながら、医療を展開したいと思っています。